佐賀一品堂

尾崎人形とは

尾崎人形は、神埼町尾崎西分地区に伝わる焼き物の人形で、焼き物が盛んな佐賀県の中で古くから作られてきました。

土のぬくもりを感じさせる佐賀の伝統玩具で、素朴な「ホー、ホー」という笛の音色は一つ一つ違っていて、それぞれが独特の哀愁を感じさせます。

尾崎人形は 40 種類ほどありますが、中でも鳩笛はテテップウと呼ばれて子供の人気者でした。鳩笛は全国の土焼人形産地にはよく見られますが、首を少し横に向いた姿は他にはあまり見られない特徴です。

尾崎人形の由来

伝承によると「弘安 4 年(1281 年)蒙古が襲来した元寇(弘安の役)の際、捕虜になった蒙古軍の兵隊が人形を作って吹き鳴らし、遠い祖国を偲んだ。そして技術は地元民に伝わり、焼き物が盛んになった」と伝えられています。この焼き物はやがて尾崎焼として、瓦・火鉢・鉢物類を焼くようになり、江戸時代には佐賀藩から幕府への献上品の一つになっています。尾崎焼の人形作りは、一時途絶えた時期もありましたが、尾崎西分地区の「尾崎人形保存会」の手によって再興され、現在も存続されています。

高 柳 政 廣

作り手の尾崎人形保存会の髙栁政廣さんは 62 歳で尾崎人形を始められました。父親が尾崎焼を製作していたのがきっかけで人形を作り始めましたが、それまでやったこともないことばかりで中々うまくいかず、なかなか売れませんでした。

始めて2,3年目に出店したイベントでお客さんに「人の物まねをしていてもダメだよ」と言われたことがきっかけで伝統の色を守りつつオリジナルの絵付けをするようになり、それから少しずつ手に取ってもらえるようになってきました。

お問い合わせ